エレベーターが七階に着くとあの不愉快なノイズはほとんど感じられなくなり、開きかけていたケイの額の目もす、と閉じた。自分の力の波を感じない。まるで体の中のもう一つの生き物である“力”が強制的に眠らされているようだ。外来に来たことはあるものの病棟に足を踏み入 ... もっと読む

ドアが開くとエレベーターの中から幼稚園児位の少女が二人、手を繋いで出て来た。 「おかあさん、もうすぐ退院できるんだって」 そんなことを笑顔で話し合う少女の姿に、皆少し緊張がとかれたような顔をする。 「でもおかあさんがいた七階って窓のお外すごくきれいだった ... もっと読む

「お兄ちゃん」 どこか聞き覚えのある声が、ロビーへ続く廊下へ響いた。 黒髪の少女は、可愛らしい顔ではあるが、中高生にはありがちな、見覚えがある、とは言い切れない顔だちをしている。 隣に並んで歩く道野が、少し動揺したのに気づいた瑞穂は、どこでその声を聞いた ... もっと読む

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