車内の空気が微かにだが、先程より重苦しいように優には感じられた。 彼の先輩達は、もう既に優の方から視線を戻しているが、隣から向けられる視線、感じる雰囲気が重く感じられた。 窓の外の景色を眺めるふりをして秀から視線を逸らすが、ぴりぴりとした居心地の悪さはご ...
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2020年05月
69. 不明な体調不良
「あーー!やっと見つけたぁ!!」 教室から出て暫くすると、後ろから甲高い声が聞こえてきた。 聖二と夕火は振り返ってみると、背後には小日向先生がいた。 「あれ?誰かと思ったら、最近休みがちの小日向先生じゃないですか?」 「ほんとだ。先生今度は何の怪しいグッ ...
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67. 他愛ない会話か否か
「晶さんがお見舞いに来れないのは残念だろうね、真也さん」 病院行きのバスの中、佐倉優が隣の座席の岩永秀へ声をかける。 「まあ、無視が出来ない人達からの呼び出しがあったみたいだしね」 秀はそう言うと軽いため息をつき、鞄の中身を確認する。 鞄の中から白い封筒 ...
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