2020年05月

車内の空気が微かにだが、先程より重苦しいように優には感じられた。 彼の先輩達は、もう既に優の方から視線を戻しているが、隣から向けられる視線、感じる雰囲気が重く感じられた。 窓の外の景色を眺めるふりをして秀から視線を逸らすが、ぴりぴりとした居心地の悪さはご ... もっと読む

「なんで隆がここにいるんだ!?」 秀のかすかな吐息が耳をくすぐった瞬間、前の座席から聞こえてきた大きな声が、それを遮った。 優は秀と丸くなった目を見合わせ、声のした方を、そう、と伺う。 「……うるさい」 ため息混じりの言葉についで、兄さん、と咎めるような ... もっと読む

「あーー!やっと見つけたぁ!!」 教室から出て暫くすると、後ろから甲高い声が聞こえてきた。 聖二と夕火は振り返ってみると、背後には小日向先生がいた。 「あれ?誰かと思ったら、最近休みがちの小日向先生じゃないですか?」 「ほんとだ。先生今度は何の怪しいグッ ... もっと読む

住川林檎は総合生徒会の神由良聖二の元に向かっていた と、いうのも今日までに集めて出さなければいけない書類があったからで とりあえず凄くめんどくさいのである 総合生徒会の部屋は通常の生徒会室から遠いし 別館にあるし なんといっても大学の方にあることで高校 ... もっと読む

「晶さんがお見舞いに来れないのは残念だろうね、真也さん」 病院行きのバスの中、佐倉優が隣の座席の岩永秀へ声をかける。 「まあ、無視が出来ない人達からの呼び出しがあったみたいだしね」 秀はそう言うと軽いため息をつき、鞄の中身を確認する。 鞄の中から白い封筒 ... もっと読む

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