「じゃあ、早速始めるから。」 右手と頭に装置を装着した誠を椅子に座らせて聖二は手元の紙を見た。 「今日行う測定のやり方は、今から言う質問に答えて貰って、脈拍や脳波から調べる方法だから」 「質問? なんだそれは?」 病院ではやっていないことなのか、誠は少し ...
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2020年05月
60. 近づきたくはなかった『 』
化学室の中、測定器を前に誠は浮かない顔で立ち尽くしていた。 「とうしたんだ?さっきから難しい顔して」 誠の様子を不審に思った夕火は誠の顔を覗き込み、声をかける。 「いや、そういや化学工作部ってこの間爆発事故起こした所じゃねえか。本当にそんな奴らの改造した ...
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58. 揺れるコントラスト
屋上にて富月茶羅は転がっていた 何故だか暫く動く気はしない 別に良い天気だし急いでる訳でもないし とにかく先程のことが頭の中でグルグルする ただそれだけなのだが 「クソが…」 思い出す度にイライラする その内にまた屋上の扉の開く音 キラキラと肩に届く ...
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57. 始める起こりは沈黙に
科学室に向かう廊下に誠と夕火は二人で歩いていた。 「わりぃな。文化祭の準備の中、急に呼び出してよ。」 「いや、別に。気にしなくてもいい。 俺がやれることは少ないしな。」 「なら良かったけど。」 「それより、俺に用って?」 「ああ、聖二が誠の能力がどれくら ...
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