気がつくと、病院の見慣れた白い天井と心配そうな兄の顔が目の前にあった。 「癒音、だよな?」 こんなに小さくゆっくりとした話し方は珍しい。不思議な問いに戸惑いながら頷くと、茶羅は安心したように長い息を吐いた。 いつの間にか手を握られている。兄らしくもない ... もっと読む