チリン チリン チリン
何処からかまた鈴の音が聴こえた気がした。
ゆっくりと目を開けたら見慣れない天井が見えた。
一瞬、誠は何処だと思ったが、今日から住む部屋だと思い出した。
「(黒上七が帰った後ベットで持ってきた茶を飲んだ後寝たんだっけな。)」
外を見ればもう夜になっていた。
「(確か、夕飯は7時からだっけな。)」
携帯を取り出し時間を見ると既に9時になっていた。
それを見た誠は、携帯をしまいベットから降りて『食料』と書かれているダンボールを開けて中からカップ麺を出した。
幸い部屋は自炊出来る用になっていて、小さな台所が備え付けられていた。
別のダンボールからヤカンも出し水を入れて火に掛けようとした。
   ピロリロリン
仕舞ったばかりの携帯から無機質な着信音が鳴り響いた。
「誰だ?」
誠は携帯を取り出し、通話を押し相手を確認した。
『誰かって、酷いなぁ。俺だよ。』
「なんだお前か。」
電話口から男の声がして誠に話しかけていた。
『なんだじゃねぇだろ。今日なんだろ?
学校転校したの?』
「ああ、今日から転校したんだよ。」
『もう晩飯は食べたか?』
「いや、さっきまで寝てて食堂はもう閉まってるから、今から夕飯を作るところだ。」
『ま、待て!!
早まるな!
転校初日に自分の料理で死ぬのはよせ!!!』
「あぁっ!!
作ると言ってもカップ麺だ!!」
電話相手は慌てた様子だったが、誠の怒鳴り声に調理をしないと分かり、安心しまた話し出した。
『そ、そうか、カップ麺か…。
そうだよなぁ、お前は自分が殺人テロ並の料理なのは自覚してるもんな。』
「で、何のようで連絡したんだ?
まさか、夕飯は何だったか聴きに電話を掛けたら切るぞ。」
『待て待て、そんなんじゃねぇって。
転校したの帝心南星学園だろ?
来月、教育実習生でそっちに行くことを連絡したんだよ。』
男の話に誠は顔をしかめた。
「こっちに実習生で来るって……。
能力者学校は桜姫にもあるのに、随分古い学園に来るんだな。」
誠の言葉に男は少し笑った。
『おいおい、自分が通う学校をそういうなよ。
確かに、帝南はここ数年桜姫の王風(おうふう)や貴詞森(きしもり)の天観(あまみ)に押されてるけど、帝南は能力者学校の始祖なんだぞ。』
「その始祖の学校が他の学校に押されてるのはどうだと思うがな。」
『きついことを言うな。
まぁ、それがお前らしいけど。
じゃあ、来月そっちに行くからな。』
「ちょっと待て。」
男が電話を切るのに気付いたか、誠は止めた。
「こっちに実習に来るってことは……もう戻ったのか?」
静かな問い掛けに、電話口から息を詰めた気がしたが、直ぐに返答がきた。
『いや、戻って来てねえ。
気にすんな。
これは俺の問題だしな。じゃあな、早めに寝ろよ。』
そう言って男は電話を切ったか、電話口からツーツーと鳴った。
電源を切り、誠は窓辺に寄りかかり外を見た。
新月なのか月明かりもない。
これから先の見えない生活を暗示している様な外を……………。

新月の下の連絡、再会近し

(あーるけ、あるけ、らせんのかいろう)