部室へと向かう廊下を、四人の男子生徒が歩いている。
高等部の青年が二人、中等部の少年が二人。

「先輩、何でおれ達まで荷物運ばなきゃいけないんですか」
むすっとした表情で秀が言う。
彼の両手には数体の人形が抱えられている。
「悪いね、お礼に何かおごるからさ」
愚痴を零す秀に、真也が言う。
こちらは粉末の入った瓶を抱えている。
「晶さん、真也さん。秀の人形にお茶を運ばせるのは分かるんですが、それらの薬品は何ですか?」
人形に着せるための着物の入った小箱を抱えながら優が尋ねる。
「ああ、ただお茶をいれてもつまらないだろ。この薬品で飲み物を作るのさ」
自信に満ち溢れた笑顔で晶が答える。
手には何やら機械の部品のような物を持っている。
「うへえ、おれはあんま飲みたくないです」
あからさまに嫌そうな顔をして秀が言う。
怪しげに濁った液体でも思い浮かべたのだろう。
「そうか、残念だな。二人にも飲ませてあげようと思ったのに」
口ではそう言う真也だが、本気で残念だとは思っていないのだろう。
軽い口調で返答した。

「…あれ、何か部室の方が騒がしくない?」
もうじき部室に着くという時、部室の方から数人の声が聞こえてきた。
その中に“爆発”という言葉が聞こえ、晶と真也は顔を青ざめさせながらほぼ同じ瞬間に部室に向かって走り出した。
だが、走り出したタイミングが悪かったらしく、真也に晶がぶつかってしまい、二人共なだれ込むように廊下へと倒れていった。
「あっ!」
残された二人が短く叫ぶと同時に、晶と真也が持っていた薬品と部品が落ち、本日二度目の爆発音が辺りへ響いた。