爆発があった次の昼休み
夕火は一年A組の教室の前にいて中を覗いていたが誠の姿を見つけて呼び掛けた。
「あっ、おーい!!
誠ー!」
昼休みで騒がしかったクラスが誠の名前を聞いた瞬間、静かになった。
急に静かになった教室に夕火は顔を悪そうにしたが、誠は何事も無いように夕火の所に向かった。
「わ、わりぃ。
何かやばっかた?」
「いや、灰陸先輩が気にすることはねぇよ。
だけど、話があるなら別の場所でしてくれねぇか?」
「あっ、ああ。
じゃあ、屋上に行こう。」
夕火は屋上に向かって誠を連れて行った。



丁度、屋上には誰もいなく誠と夕火だけだった。
「で、話何だけど、誠のクラスに葉山と川口っているよな」
「ああ、いるが。
あの二人がどうしたんだ?」
「昨日の二回目の爆発があったろ?
原因があの二人で今日の放課後連れてきて欲しいんだ。」
「別に構わないが。」
「ごめんな。
さっき教室見てもいなかったし頼むな。」
「昨日いた先輩達と同じ内容の罰でも与えんのか?」
誠は昨日夕火が化学室に戻ってきた後一緒に総合生徒会室について行き、聖二という総合生徒会会長から出した罰の内容を思い出した。
「ああ、反省文二枚と文化祭の見回りを総合生徒会と一緒に行うこと。」
「面倒なことになったな。
あの先輩達と二人は。」
「まぁ、これは軽い方だと思うぜ。
普通だったら、二週間部活禁止とか反省文十枚は書くんだし。」
誠の同情の様な言葉に夕火は肩をすくめて説明した。
「用件は其れだけだから、俺は戻るけど、誠も教室に戻るか?」
「……いや、もう少し此処にいる。」
「そうか、じゃあ放課後な。」
「あっ、ちょっと待て。」
屋上から去ろうとする夕火を誠は呼び止める。
「?」
「どうして灰陸先輩は平気でいられるんだ?」
「平気って……あっ、もしかして能力の溢れ出している力の事か?」
夕火の問いに誠は頷いた。
すると夕火は首から下げていたペンダントを誠に見せながら話した。
「誠は能力に目覚めたばっかであんまり知らないみたいだけど、一般人や能力を封じ込んでる奴には影響はないんだよ。」
「そのペンダントは制御装置って事か?」
「ああ、俺は普段は使うとき以外は封じてるからな。」
「なる程な。」
「じゃあ、俺は戻るな。」
今度こそと言うように夕火は出口へ向かったが、誠の方に振り向いて話した。


青空の下での納得


(言い忘れてたけど、俺の事、灰陸先輩じゃくて、夕火でいいからな!!
俺もお前のこと誠って呼ぶから!!)
(………さっきから、それで読んでんじゃ意味なくないか……)
(あ、確かに…………)