ざわついた教室の中誠は声をかけた
「おい」
「なんだよ」
「生徒会が放課後来いとさ
それだけだ」
誠が声をかけると当然ながら不機嫌そうに返事をする
「あ、あとアイツと一緒にな」
付け加えた様に葉山に指をさした


「……」

「……あぁ、分かった」

葉山と見つめあった後、川口にしては珍しく素直に頷いた
















「反省文…以外って訳か?」
放課後の生徒会室への道を歩きながら呟く

珍しくそこまで機嫌は悪くないらしい

「うん
そうかも…
ごめんね」
「…」
謝る葉山を見ながら黙りこむ

「瑞穂くん…」
「…」
黙りこむ


「お前のそういうとこ嫌い」
「うん」

「お前のそういうとこ嫌いなんだけど」
「うん、知ってる」

「お前本当にいなくなんのか」
「…」

「なあ」
返事がないのでもう一度
もう一度繰り返す


「ごめんね」
それは肯定だった

その日川口はその後何も葉山に話し掛けることはなかった
次の日、葉山は何も言わずに部屋
いや、この学校を立ち去った


「本当に大馬鹿だ」
そう呟いた言葉は誰にも聞こえることはなかった