「じゃあ、早速始めるから。」
右手と頭に装置を装着した誠を椅子に座らせて聖二は手元の紙を見た。
「今日行う測定のやり方は、今から言う質問に答えて貰って、脈拍や脳波から調べる方法だから」
「質問?
なんだそれは?」
病院ではやっていないことなのか、誠は少し首を傾げた。
「この形式って、二、三十年前のやり方で、今はやらなくなった測定法方だからね。
今は質問しなくても判るからね。」
「測定器の準備はいいですよ。」
「じゃあ、始めるよ。
素直に答えてね。」
晶の言葉に聖二は、誠に顔を向けた。
「じゃあ、最初に頭の中で円を思い浮かべて。
大きさはどれくらいでもいいから。」
聖二の言葉に誠は目を閉じて思い浮かべた。
「出来た?」
「ああ。」
「どれくらいの円?」
「サッカーボールより少し大きめの円だ。」
誠から目を離し、聖二は測定器を操作している晶に声を掛けた。
「紺野君、機械は大丈夫?」
「はい。今の所正常ですよ。」
「そう。
じゃあ、ここから重要だから。
その円に色を入れるとしたら何色?
何色でもいいけど、最初に浮かんだのを入れて。」
「入れる色?」
誠はそのまま頭の中で、思い浮かべた。
「(浮かぶ…色……あ…か…と………)」


数分後に響いたのは危険信号を鳴らす音だった。

脳裏に浮かぶのは紅と…

(うわっ!何だよ?この音!!)
(測定不能になってしまった音ですよ。)