「あーー!やっと見つけたぁ!!」
教室から出て暫くすると、後ろから甲高い声が聞こえてきた。
聖二と夕火は振り返ってみると、背後には小日向先生がいた。
「あれ?誰かと思ったら、最近休みがちの小日向先生じゃないですか?」
「ほんとだ。先生今度は何の怪しいグッズを使って失敗したんだ?」
「ちょっと!ボクを何だと思っているの!!」
二人の言葉に癪に触ったようで、二人に近付くやいやな、小日向先生は叫ぶ。
「何って…見た目も中身も子供。自称先生。」
「身長の伸ばそうと、日々怪しげなグッズを買う先生。」
聖二と夕火は平然と小日向先生に言った。
その言葉を涙目になりながら、話しだす。
「ひ、酷いよぉ。ボ、ボクのこと、そんな風に…」
「あーあ、夕火が先生を泣かしたー。」
「俺のせいかよ!
聖二だって泣かした本人じゃねぇか!!」
「飴あげますから、泣かないで下さいよ。」
ポケットから綺麗に包装された飴を小日向先生に渡した。
「で、先生は何の用事に来たの?泣かされに来た訳じゃないんでしょ。」
「うう、あ、明日の文化祭につ、ついての、先生た、た、達と会議があるで、しょ?そんな、それが来週にな、なったのを、つ、伝えに来たんだよぉ。」
飴を受け取り、小日向先生は話した。
「明日の会議が来週に?」
「うん。さ、最近、何人かの先生や役員の生徒が体調不良で休んでいるでしょ?それで真昼理事長が、全員揃わないと後々面倒だろうだからって。」
「あー、確かに最近自習が多いし、クラスの奴も休んでると思ってたけど。そんなに酷いのか?」
「何人か体調不良ねぇ…ねぇ、小日向先生。先生や生徒が休み始めたのっていつ頃ですか?」
「詳しくは判らないけど、今月の始め頃かな?」
「今月ねぇ……会議の連絡報告ありがとうございました。僕はこれで。
夕火も帰っていいよ。」
小日向先生の言葉に聖二は何か思いあたる事があるのか、一人で何処かへ向かった。


不明な体調不良


(保健室なら学校全体の出席がわかるよね。)