チリン チリン チリン 何処からかまた鈴の音が聴こえた気がした。 ゆっくりと目を開けたら見慣れない天井が見えた。 一瞬、誠は何処だと思ったが、今日から住む部屋だと思い出した。 「(黒上七が帰った後ベットで持ってきた茶を飲んだ後寝たんだっけな。)」 外を見れ ...
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カテゴリ: 本編
16. 明かす真実、深まる謎
噴水がきらきらと飛沫を上げている。 涼やかな光景を人形の瞳を通して秀は見ていた。 「気付かれてたか」 ちっ、と舌打ちをして秀は呟いた。 否、それよりも三年前のこととは何なのだろうか。 先を急かすような視線を富月癒音へと向ける。 ―実際に視線を向けたのは人 ...
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15. はしるはしるはしる、
中庭は、女子校と男子校の間の縦幅五十メートルほどの細長い空間だ。まめに手入れされた青い芝生が広がるのとは対照的に、ところどころインクの剥げたベンチが何台か、忘れられたように置かれている。 中央では小さな噴水が静かに水を吐き出し、ちらちら、と水音をたててい ...
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14. 馬鹿と小動物と金髪男
寮を探していた誠は見覚えのある人物を発見した それは先程まで一緒だった黒上七であった しかし誠は警戒した 見覚えのない青年が黒上の横にいたから 目線があうとその青年は軽く会釈をしたから誠もつられて軽く会釈をした そして気付いた 俺、寮を探してるんじゃなか ...
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13. 制御出来ず彼らに与えたのは純粋な恐怖
誠の能力は解放されたままHRを迎えた。 「明日は全総合朝会があるから、遅刻しないようにね。」 「起立、礼」 殿坂先生の言葉にクラスの委員が号令を掛けて終わった。 先生が教室を出て、生徒達は自由に始めた。 帰る支度をする生徒や部活に行く子、教室に残って友達 ...
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