カテゴリ: 本編

「ねえ、優。やっぱりウワサの転校生気になるよね、見に行かない?」 何かをかちゃかちゃと組み立てながら秀が言う。 「駄目だよ、どんな相手かもわからないのに。第一、高等部に僕らが行ったら目立つし、ばれたら大目玉だよ」 読んでいる本から目も逸らさずに答える優に ... もっと読む

「失敗しちゃった」 誠が出ていってから、しばらく考えるような仕草をしていた葉山が、すたすたと道野の方にやって来た。 癇癪を起こしたような表情を浮かべていたのを、甘えた笑みに戻しながら。 ああいう態度をとられるのは、珍しいことではない。言いくるめられたよう ... もっと読む

ふと鼻に薬の香りがした そして目を開けて自分がベットの上にいる事に誠は気付いた 「大丈夫?」 そしてベットの横にいる知らない青年にも気付いた 「お前誰だ」 そう問えば彼は呆気にとられた顔をしてから笑った 「君は自分の心配より俺の方が気になるんだね ... もっと読む

「悪いがそれは断る。」 誠の言葉に碧眼の少年は断るとは思わなく少し驚いた表情をした。 「確かに此処では平穏に過ごしたいが、別にお前に協力して欲しくねぇ。」 「それじゃあ、他の誰かに協力してもら」 「勿論、誰の協力も必要ねぇ。」 碧眼の少年の話を遮り誠は続 ... もっと読む

昼休みの中等部、紺野晶がある教室を目指して歩いていた。 もう高等部の生徒である彼はやはり周囲になじまずに注目を集めてしまっている。 すぐに目的の教室にたどり着き、勢いよく扉をあけた。 「佐倉優と岩永秀、ちょっと来い」 よく通る声で優と秀を呼ぶと、クラスの ... もっと読む

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