「あれ、ケイくん」
それは、異常な光景だった。
「瑞穂……?」
律夜に手を引かれて歩いてきたのは、どう見ても、あの、川口瑞穂に間違いなかった。
「今から寮に戻るんだ。ケイくんは?」
「科学工作部」
「じゃあ、後の方がいいよ。部室吹っ飛んでるから」
「…… ...
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カテゴリ:本編 > 文化祭準備編
39. 感傷的爆発の経過について
「げ、」
夕火が教室に入ると、びしょ濡れになった生徒が眉を寄せた。柔らかそうな金髪から雫がぽとぽと、とこぼれ落ちている。
よく見ればそれがクラスメイトの友人であることに気づく。たしか、名前は律夜、だったか。
「総合の方が来ちゃったよ」
うさぴょん先輩のが ...
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37. 誠の由来に響く爆発
第一化学室で誠は薬品を探していた。
LHRで文化祭の出し物が決まり放課後から部活をしてない者を中心に準備に取り掛かった。
が、誠はクラスメイトから腫れ物の様に扱われ、それを観た殿坂が文化祭に使う薬品があるか確認してきて欲しいと頼まれた此処にいた。
幾つかは見 ...
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36. 彼等にとっては日常か非日常か
部室へと向かう廊下を、四人の男子生徒が歩いている。
高等部の青年が二人、中等部の少年が二人。
「先輩、何でおれ達まで荷物運ばなきゃいけないんですか」
むすっとした表情で秀が言う。
彼の両手には数体の人形が抱えられている。
「悪いね、お礼に何かおごるから ...
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